今回のこだわりオフィス特集は、風土改革・文化創造を専門とするコンサルティング会社「株式会社スコラ・コンサルト」です。組織と事業のプロセスをデザインするプロフェッショナルが集まるスコラ・コンサルト様の環境へのこだわりを、代表取締役の辰巳和正様と総務の田中睦子様、採用担当の瀧尾千波様に伺ってきました。オフィス内装の360度VR写真とともにご紹介いたします。
──御社の事業内容をお聞かせください。
代表取締役 辰巳和正様(以下、辰巳):
当社は、企業風土改革・文化創造という側面から、お客様の会社をより良くするためのコンサルティングをしている会社です。
時代が激しく変動する中、企業も変わらない安定よりも柔軟な変化が求められています。私たちは、お客様が自分たちの力で組織や事業のあり方を変え続けていけるような風土づくりのお手伝いをしています。事業を支える”人のダイナミズム”に関わることによって事業成長を実現していきます。社内ではよく、経営手法などの方法論を「アプリ」と表現するのですが、アプリケーションを正常に稼働させるための「OS」に当たるのが組織風土だと考えています。
コンサルといえば「アプリ」を提供するイメージをお持ちの方も多いと思いますが、私たちはアプリケーションが駆動するための大前提である組織の「OS」をきちんとアップデートしていくお手伝いをしている、と考えてもらえればわかりやすいと思います。
──現場ではどのようなメンバーが働いているのでしょうか?
辰巳:
社内にはいろいろなキャリアの人がいます。こういう能力や資格がないとダメということはありません。しかし、「自らの組織を自ら変えようとし続ける当事者」であることは大切にしていますので、どこかの企業でそういう実践経験を持っている人がほとんどです。
また、先ほどお話をしましたが、私たちは「自分たちの力で自分たちのあり方を問い続ける」ということを大切にしており、それがお客様に提供するバリューであるとともに、社内でもっとも大事にされるカルチャーであると考えています。そのため、メンバーの関係性は非常にフラットで、お互いが自ら考え、そもそもの意味や目的を問い続ける風土なので、側から見ると少し面倒くさく映るかもしれませんね。
ビジョンに関しても、社内的には、あえてふわっとした言葉にしています。その理由も、決められた絶対解が存在することによって自分たちが思考停止になってしまい、問い続けなくなることを防ぐためです。ビジョンすらも私たちにとっては、本当に正しいかを問うべき対象なんですね。
──昨年度オフィスを移転されたと思いますが、移転時のコンセプトについて教えてください。
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コミュニケーションスペース
辰巳:
以前のオフィスは10年ほど使っていました。オフィスのような固定化された仕組み、物理的環境の中に10年もいると、それが日常というか、当たり前というか、空気のような存在となり、何の疑問を持たなくなるものです。
実際、私たちも「そもそも、私たちにとってオフィスとはなにか?」「そもそも、どんな風に働きたかったのか?」「そもそも、お客様をオフィスにお出迎えするとはどういうことか?」など、本当は考えるべき大切なことを、問い直さなくなってきているのではないか?とおぼろげに感じ始めたことが移転を考えるきっかけでした。
「そもそも」から問い直すためには、オフィスという物理的制約を取り外し、ゼロベースで機能や目的を見直す必要性を感じたのです。ですから、「自分たちで自分たちの働き方・オフィスを再定義してみる」が移転のコンセプトと言えますね。
総務 田中睦子様(以下、田中):
当社はクライアント企業に担当プロセスデザイナーが訪問するだけでなく、来社いただく機会を増やすことで、スコラ・コンサルトを身近に感じていただきたいと思っています。
ご来社いただき、スコラ・コンサルトのオフィスを通して自分たちの提供価値を体感していただくことが非常に重要なのですが、オフィスも10年経つとビジネスの動きや感覚が合わなくなり、理想とする空間ではなくなっていました。そのため、開放的で柔軟性に富んだオフィスにバージョンアップすることは、会社にとって非常に重要な課題でした。
採用担当 瀧尾千波様(以下、瀧尾):
例えば、当社は開放的な空間で、立場や肩書きを外し、気楽にまじめな話をする「オフサイトミーティング」という対話の手法を活用しているのですが、それを提供している自分たち自身が窓のない部屋でミーティングをしているような状況でした。言行一致の問い直しを続けることは、本当にそこに嘘がないかを確認することでもあります。なので、閉鎖的な空間に何の問題も感じないでいること自体を問題として捉え、根本から改善しようと考えました。
──より具体的なオフィスの設計についてもお聞かせください。
田中:
「デザインは社会を変えられる」という信念のもとに活動を続ける東京デザインセンター内に、企業変革の支援をするプロセスデザインカンパニーとしてスコラ・コンサルトも新たな拠点を構えることができました。前テナントさんがショールームとして使われていた木調の空間を極力生かし、デザイナーさんと相談しながら多くの部分を社員主導でデザインしました。
こちらのビルはインテリアショールームのテナントさんがメインに入っている場所なので、当社のような人の出入りが多いオフィスにとっては制約も多くありました。お手洗いを室内に新設するなど社員やお客様の導線や視線を考え、必須となる空間の配置だけを決めたら、あとは使いながら進化させていく極めて可変的なものにしています。
移転3カ月後には、移転チームから引き継いだ社内PJの「チームホスピタリティ」が立ち上がり、社内メンバーやお客様からいただいた意見をもとに空間を変化させながら改善活動を行なっています。1カ月に1つは何か変化を続けられるように試行錯誤しているので、1年後のオフィスは、今とはまた違う空間の使い方になっているかもしれません。
辰巳:
現状で言えば、例えば「執務スペース」は仕切りを無くしてオープンにすることによって、お客様に顔を知っていただきコミュニケーションを取りやすい場所にしました。テラスに面したガラス張りの「森」はお客様をお通しするシンボリックな場所なので、内でも外でもないリラックスできる開放的な場所としてデザインしました。
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森
田中:
大きなセミナーや研修などを行なう場所が、「空」「海」というセミナースペースです。それとは対象的に「広場」は、お客様と面白く自由にアイデアを持ち込んで変えていけるようなワークショップスペースになっています。
他にも、落ちついてしっかりした話ができるスペースとしての「華」、集中スペースとしての「山」など、コンセプトごとにさまざまな部屋が用意してあります。
──実際移転してみてからの社外の反応はいかがでしょうか?
瀧尾:
誰もがリラックスして自然に集中できる空間、リフレッシュされる場でありたいと思っていましたが、ありがたいことに「つい行きたくなる」という声をいただいていて、利用率は以前の1.5倍にまで上がりました。このオフィスに来られた後、「人が変わったように元気になって部下が帰ってきた」と上司の方が驚かれるような、本当に嬉しい声もいただいています。
オフィスは、そこにいる人の姿勢や気遣いなども含めた文化を表す会社の顔ですから、例えば突然の雨に合わせて折り畳み傘やタオルなどを用意するとか、挨拶の一つひとつにも気を配って、より気持ちよくオフィスで過ごしていただけるように努めています。
──今後そんなオフィスで一緒に働くメンバーには、どのような方をお求めなのでしょうか?
瀧尾:
他者に何かをして欲しいという人ではなく、「誰かのために何ができるか」を常に考えている人が望ましいと思っています。オフィスもそうですが、私たちは仕事に関しても常に課題を見つけ、変化し続けています。
実際に現場に行って、お客様の前で正しいことを言うことは簡単です。例えば、「常により良い方向に変わり続けましょう」と口では言えますが、それを実行することは簡単ではありません。言うこととやることのギャップを埋めようと努力するエネルギーのある人が必要だと思っています。
辰巳:
一方で、何事も明確に決め切らないことにも重要さを感じていて、決め切らない“余白”を持つことによって疑う余地が生まれます。新しく入ってくる人に関しても、疑い、実践し、実現できることを大切にしてもらえるといいなと思っています。あいまい、不明瞭な状態で突き進むのはとても不安だし大変なことですが、それでも前に進める人と一緒に働きたいですね。
そういった人が集まってきて、それをお客様や多くの人たちに伝えていくことで、世の中が少しでも良くなることを願っています。
──最後に、会社としての今後のチャレンジについてお聞かせください。
辰巳:
「会社の成長と社員の働きがいを共に実現する」というのが大きなミッションとしてあるのですが、そのために僕たちがどうあるべきかを常に問い続けたいと思います。より良い社会を求めた時に必要な挑戦が、常に僕たちの目指すものであって、そのために会社の売上的な成長が必要である場合はそれを求めますし、逆に売上の延長線にないと思えば違うアプローチをとると思います。
例えば、現状では、お客様に「風土改革機能の内製化」を一つのゴールとして提案していますが、内製化は今日の売上に繋がりません。それでも、それが世の中のためになるのであれば挑戦し続けるというスタンスで今後も会社をつくっていきたいと思います。
事業も、オフィスも、1年後にまたこういったお話をするときに問い直されてアップデートしていることが当社のアイデンティティであり強みなので、ぜひ、その変化を楽しみに見ていただければと思います。
──貴重なお話をありがとうございました。
株式会社スコラ・コンサルト
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