豊富な水源に恵まれている日本は、古くから湖や河川、海などの水を生活のために利用してきました。特に湖や河川は、農業用水や生活用水として大切にされており、氾濫や洪水などの水害からの回避と五穀豊穣を願うため「神様」して崇拝されてきた歴史があります。そのため湖畔や河川のほとりには、古くから祠や神社が奉られているのです。
そして、その「神様が棲む湖」を利用して建築された城が、日本にはいくつか見受けられます。湖を利用した城は「浮城」や「水城」と呼ばれ、戦略の拠点として重要視されてきました。その「湖に浮かぶ城」として大事にされてきた城のなかでも、特に素晴らしいとされている「日本三大湖城」をストリートビューで見てみようと思います。日本の城マニアの注目を集める「オススメの城」ばかりです。当時の人達に思いを寄せながら、楽しんでみてください。
松江城|江戸期の雛形が現存する国宝天守
現在は松江城山公園として日本さくら名所100選にも選ばれている、島根を代表する観光スポットです。関が原で武功を上げた「堀尾忠」と父の「堀尾吉晴」が松江の将来性を見出し築城した城と言われています。日本百景で名が知られている「宍道湖(しんじこ)」の北川湖畔に位置する亀田山に築かれた湖城です。
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黒い板張りの壁は「豊臣期」のトレンドである建築形式です。天守は江戸期からの雛形が唯一残っている、国宝天守と言われています。屋根を飾る「鯱(しゃちほこ)」は現存する木造鯱としては最大を誇る大きさです。
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天守の中は「博物館」になっており、貴重な文化財を楽しむことが出来ます。江戸初期に築城されたものなので、城も鎧も桃山時代の様式が多いようですね。チョット時代が後になるだけで、城壁の形式なども変わっていたと思います。姫路城のような白壁も美しいですが、黒い城壁も力強くて魅力的です。
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堀の水は宍道湖の水を利用しています。宍道湖は汽水湖になっているため、堀の水も海水の1/10の塩分の濃度の汽水です。御庭は美しく整備されていて、春には桜も咲き乱れます。宍道湖の景観楽しむ際には、立ち寄ってお城の雄姿も眺めてみてはいかがでしょうか。
松江城
電話:0852-21-4030
住所:島根県松江市殿町1-5
公式HP
膳所城|里謡にも謳われた琵琶湖に浮かぶ美しき城跡
かつては「瀬田の唐橋唐金擬宝珠(からはしからがねきぼし)、水に浮かぶは膳所の城」と謳われた、非常に美しい天守を持ったお城でした。同じ時期に建てられた松江城とは違い、白壁の塀や天守閣が特徴で、天守は4重4階建てであったとされています。徳川家康が東海道の押さえとして作らせた城のため、当時でも珍しい白壁の建築様式が取られたのではないでしょうか。
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美しいと評判であった天守閣は、明治時代に移ったタイミングで取り壊されてしまいました。現在では、城門や城壁の一部が残るのみです。里謡にも謳われた美しい立ち姿を見ることが出来ないことは残念ですが、日本一の琵琶湖を城跡から眺めることで当時の人が眺めていた景色を想像することできると思います。
↑膳所城の紹介ムービーです。城が残っていないからこそ、石垣や城門の趣や琵琶湖やその周りにある自然の美しさを感じることが出来るのかもしれません。観光地としては少しマニアックかもしれませんが、琵琶湖に浮かぶ美城を偲びに来てみてください。
膳所城
電話:077-522-3830
住所:滋賀県大津市本丸町7
公式HP
高島城|龍神様が棲む湖「諏訪の浮城」
高島城は、諏訪大社でも祀られている水の神様「龍神」が棲むと伝えられている諏訪湖を利用した城です。出来た当初は諏訪湖に迫り出し、周囲は湿地に囲まれていたため、「諏訪の浮城」と呼ばれていたそう。非常に堅固な守備力をもった城として広く知られており、諏訪氏は明治維新までこの城を拠点としてきました。
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高島城は明治8年に取り壊され、高島公園として一般解放されました。現在の天守閣は昭和45年に復元されたものです。以前は水に囲まれた浮城でしたが、現在は諏訪湖の干拓が進んだため、残念ながら浮城の姿を見ることが出来ません。
また高島城は、地盤の弱い所に築城されたことから、重量のある瓦が使うことが出来なかったと言われています。そのため「こけら葺」と呼ばれる、厚さ2~3mmの薄い板を瓦の代わりに使って屋根が作られました。当時の瓦では凍み割れしてしまうという理由もあったそうです。寒さ厳しく地盤が弱い諏訪だからこそ、取られた建築様式と言えます。復元の際に、強度の問題から銅板で葺かれた屋根に変更されたようです。
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天守の対面には諏訪護国神社が鎮座しています。この神社は明治35年に設立された比較的新しい神社です。神社の周りには常に多くの露店が出ていて、諏訪大社と同じようにたくさんの観光客が訪れています。
高島城
電話:0266-53-1173
住所:長野県諏訪市高島1-20-1
公式HP
まとめ
日本三大湖城の魅力が伝わったでしょうか。決して派手なお城ではありません。しかし、落ち着いた趣のある魅力的なスポットです。明治維新の影響で天守が失われてしまっている城もあり、当時の姿を見ることが出来ないことは残念ですが、そのおかげで公園として地元の人から親近感を持って愛されてきました。歴史ある城跡を身近に感じられることが、今回紹介した3つの城の魅力かもしれません。ストリートビューでは伝わらない魅力もあるはずなので、ぜひ直接遊びに行ってみてください。
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