テレビや新聞で「地球温暖化」という言葉をよく見かけるようになりました。温暖化を防ぐために、温室効果ガス(CO2)排出量の削減目標を掲げている国も少なくありません。日本も、2030年度には2013年度に比べて、排出量を26%削減するという目標を公約として掲げています。
こうした国家単位の活動を見ると、「地球温暖化は良くないことだ」とか「何としてでも食い止めなければならない」というイメージを持つことはできます。しかし、地球温暖化によってどういうところに影響が及ぶのかというと、はっきりとはイメージできないのではないでしょうか。
今回は地球温暖化の影響をまさに受けている、当事者の姿を見ていただきましょう。それはカナダのマニトバ州、チャーチルで暮らすホッキョクグマです。グーグルはこの地でホッキョクグマの保護活動に取り組んでいるPolar Bears Internationalの協力を得て、ホッキョクグマの生息地でストリートビューを撮影しています。ストリートビューでホッキョクグマの姿を探してみましょう。
ハドソン湾に氷が張るのを待つ
チャーチルはカナダのマニトバ州北部に位置しており、ハドソン湾に面した街です。ホッキョクグマの生息地として有名で「ホッキョクグマの首都」というニックネームが付いているほどです。
秋になり、チャーチルの地が雪で覆われるとホッキョクグマはハドソン湾沿岸に姿を現します。ハドソン湾に厚い氷が張るのを待ち、氷が張ったら湾に出て、主食であるアザラシを捕らえるのです。グーグルによるストリートビューは、ハドソン湾の氷結を待つ時期を捉えたものです。それでは、ホッキョクグマの姿をご覧頂きましょう。
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このホッキョクグマは海辺にまで移動してきていますが、まだハドソン湾は氷結していません。もうしばらくこの地で待つことになりそうですね。ほかのホッキョクグマもご覧頂きましょう。
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内陸にとどまって、雪の中で体を丸めて待っているようです。もう1つ、ホッキョクグマの様子をご覧頂きましょう。
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雪の中でじゃれあっているホッキョクグマのペアです。さすが「ホッキョクグマの首都」です。チャーチルのストリートビューの中を探しまわると、ホッキョクグマの姿を確かに捉えることができます。
狩りができる期間が4週間も短く
チャーチルで、ハドソン湾の氷結を待つホッキョクグマの様子をご覧頂きました。実は近年、ホッキョクグマが氷結を待つ期間が長くなっているそうです。まさに地球温暖化の影響でハドソン湾が秋になってもなかなか氷結しなくなっているとのこと。また、春を迎えると早々に氷が消え去ってしまうこともあり、ホッキョクグマがアザラシ狩りに出られる期間が年間でおよそ4週間も短くなっているそうです。
アザラシ狩りができる期間が短くなると、ホッキョクグマが餌を捕らえるチャンスが少なくなります。この結果ホッキョクグマの数は減り、「絶滅のおそれがある種」となってしまいました。生息しているホッキョクグマも、身体が明らかに小さくなっているとのこと。
心配なのはホッキョクグマの絶滅だけではありません。ホッキョクグマが狩りをする期間が短くなり、ホッキョクグマの数が減ったことで、ホッキョクグマの主食であるアザラシが過剰に増殖してしまうのです。その結果、アザラシの食料である魚が不足し、アザラシ以外の生物が魚にありつけなくなってしまいます。こうして、またほかの種が絶滅の危機にさらされることになります。チャーチルの地とハドソン湾では、温暖化の影響で生態系のバランスが崩れそうになっているのです。
上述のように温暖化によってアザラシは増殖し、活動範囲を広げています。日本にもこの影響は及んでいます。オホーツク海にアザラシが出没するようになり、漁業に影響しているというのです。人間が食べるはずの魚をアザラシが食べてしまうので、漁獲量が減り、魚の価格が上がってしまいます。
地球温暖化による影響は広範に及び、回り回って人間に害が及ぶこともあるのです。ホッキョクグマの現状を知り、地球温暖化の進行が気にかかるようになった方は、なるべくゴミを出さないようにして、温室効果ガス削減に協力するなど、手近なところからできることを探して行動を始めてみてはいかがでしょうか。
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