アップルのMacintosh(Mac)は不思議なパソコンだと感じます。Macが搭載するプロセッサについて考えるだけでもとても不思議です。最初期のMacはモトローラの「680×0シリーズ」を搭載していましたが、1990年代に入るとApple(当時はApple Computer)、IBM、モトローラの3社で共同開発したRISCプロセッサ「PowerPCシリーズ」を採用しました。さらに2006年にはWindows PCと同じインテルのプロセッサに切り替えました。
マイクロソフトのWindowsを採用しているパソコンは、MS-DOSの時代からハードウエアの基本構造はあまり変わらず、基本的にインテルのプロセッサを採用しています。これは、マイクロソフトが病的なまでに後方互換性に気を遣っているからです。
一方、アップルは後方互換性をほぼ無視して、性能向上を優先してプロセッサをコロコロ変えてきました。これは、なかなかできることではありません。プロセッサが変わるたびに、ソフトウエアを作り直さなければならない、つまりソフトウエア開発者に大きな負担を強いるのです。ちなみに、2001年にデビューした「Mac OS X(現在はOS Xと呼ぶ)」も、旧来のMac OSとの互換性をほとんど持ちあわせていませんでした。
よく分からないけどMacはカッコいい
このように、Macはソフトウエア開発者にとって付き合いにくいコンピュータだったと言えます。この事実はエンドユーザーにも影響を与えます。昨日まで使えていたソフトウエアが、新しいMacではまったく使えないということがあるわけですから。これではユーザーからも嫌われたとしても不思議ではありません。
しかし皆さんご存じの通り、現在もMacは生き残っており、かなりのファンを抱えています。最近は古くからの熱心なMacファンだけでなく、Macを何となくカッコいいと感じるファン層も増えています。
懐かしいMacがズラッと
Macの魅力に取りつかれた人、特に古くからの熱心なファンにお見せしたいインドアビューがあります。オランダにある“McPartners”というお店のインドアビューです。このお店はオランダの首都アムステルダムから南に40kmほど走ったところにあります。
McPartnersは、アップル製品専門の販売店です。お店に入ると、目に入るのはアップル製品ばかり。Apple Storeに入ったかのような錯覚を覚えるほどです。
このお店の最大の見どころは、売り場の隣にある部屋にあります。そこに入ると懐かしいMacがびっしりと並んでいます。
はっきりとは判別できませんが、初代Macとおぼしき機体も並んでいます。一世を風靡した初代iMacや、iBookも並んでいます。さらに、アップル設立20周年を記念した「20th Anniversary Macintosh」まであります。
Macは唯一無二の存在であり続けた
ここに集まっているMacは、現代ではまったく役に立たない代物です。お世辞にも収納しやすいサイズとは言えません、かなりの場所を取ります。日本にもこのように古いMacを集めてしまうマニアが存在します。
McPartnersにズラッと並んだ古いMacを見渡してみると、登場時に大きな話題になった製品ばかりであると気付きます。話題になった製品ばかりだから、Macを集めようとも思わない筆者のような人間でも、並んでいる製品の名前を覚えているのだと思います。Windows PCではなかなかこうはいきません。
ここまで人々の記憶に長く残る製品を作り続けているアップルという企業は、やはり特別な存在なのでしょう。そして、アップルが発売するMacにも、ほかにはない魅力があるということだと思います。これも故スティーヴ・ジョブズの魔力かもしれません。
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