(引用元:ぱくたそ)
皆さん、「とびしま海道」をご存知でしょうか。ニュアンスが何となく似ていますが、よく耳にするしまなみ海道のことではありません。とびしま海道とは、広島県呉市と安芸灘に浮かぶ7つの島(上・下蒲刈島、豊島、大崎下島、平羅島、中ノ島、岡村島)を結ぶ全長約31キロメートルのルートを指し、しまなみ海道よりもやや西部に位置しています。とびしま海道一帯は柑橘類の産地として有名であり、収穫時期にはオレンジ色に染まった山々の景色を堪能することができます。
本州側より安芸灘大橋、蒲刈大橋、豊島大橋、豊浜大橋、平羅橋、中の瀬戸大橋、岡村大橋という7つの橋が存在しており、それぞれ「安芸灘1号橋」「安芸灘2号橋」・・・とも呼ばれています。ちなみに、これらの7つの橋を渡っていくと、愛媛県今治市の岡村島に到着します。今後、さらに岡村島と大崎上島とを結ぶ橋も建設予定ですが、開通年月日については2016年8月現在未定となっています。
しまなみ海道と同様、サイクリングロードとして推奨されており、日本全国からのサイクリストがここに集います。さあ、そんなとびしま海道をストリートビューで覗いていきましょう。
最も本州に近い安芸灘大橋
とびしま海道に架かる7つの橋のうち、最も本州寄りにあるのは、2000年1月18日に開通した全長1175メートルの安芸灘大橋です。都道府県道に架かる吊橋としては世界No.1の規模を誇っています。多島美との調和を可能にした橋の技術が大変強化され、橋梁・鋼構造工学で優秀な業績に贈られる土木学会田中賞(作品部門)を受賞しています。
安芸灘大橋のもうひとつの着眼ポイントと言えば、橋が架かる小島です。じっと凝視すると、あたかも猫がうずくまっているようにも見えますね。それゆえ、「女猫島」という別名を持っており、女猫島を中心としたこの近辺は「猫瀬」や「女猫の瀬戸」として親しまれています。
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安芸灘大橋を渡り切ると、そこはとびしま海道の玄関口、下蒲刈島です。村上水軍が瀬戸内海を支配していた頃、外国船や参勤交代の大名らがここに立ち寄っていたと言われています。松並木に囲まれた伝統的な日本建築を堪能することができます。
広島県内で一番ビッグなゲートブリッジ
下蒲刈島の東部に位置するのは上蒲刈島へと通じる全長480メートル、最大支間長225メートルの蒲刈大橋です。とびしま海道の7つの橋のなかでは最も早い1979年10月13日に開通しました。とびしま海道では豊浜大橋に並ぶのゲートブリッジ(正式名称は「トラス橋」)であり、最大支間長に関して国内第7位、広島県内ではトップの規模を誇っています。
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上蒲刈島は広島県内でも有数の海洋レジャーの拠点地です。島の南部には美しい弧を描くように白砂の浜が200メートルにわたり広がっており、青い海に白い砂浜、周辺の新緑という見事なコントラストの美を堪能できます。
日本初の新技術を多く採用したアビ大橋
続いて、上蒲刈島・豊島(とよしま)間に架かる全長903.2メートルの吊橋、豊島大橋です。橋が開通した2008年には、土木学会の田中賞(作品部門)および一般社団法人全日本建築技術協会の全建賞(道路部門)を受賞しました。
従来の吊橋とは異なり、比較的浅い層に分布する良好な岩盤を利用して吊橋のメインケーブルを固定する「岩盤定着式アンカレイジ」を採用しています。さらに、主塔や補剛桁の架設ブロックの外面連結に対して全周溶接法を取り入れるなど、日本初の新技術や新工法を多く採用しており、近くからも遠くからも眺望を楽しむことができます。
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周辺の地域には、広島県の県鳥にも指定されているアビが数多く分布しています。地元の住民の間では、「アビ大橋」という愛称で親しまれています。
広島県内第2位のゲートブリッジ「豊浜大橋」
豊島・大崎下島間に架かるのは全長543メートルの豊浜大橋です。1992年11月30日に開通しました。上述した蒲刈大橋と同構造のトラス橋であり、トラス橋として日本国内で第9位、広島県内では蒲刈大橋に次ぐ規模を誇っています。
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歩行者用道路の手すりには、広島県の県鳥にも指定されているアビのレリーフが270個も!豊浜大橋を渡るたびに、可愛らしいデザインに胸が弾むことでしょう。
“とびしま海道”唯一のコンクリート橋
大崎下島から岡村島に架かる3つの橋(平羅橋・中の瀬戸大橋・岡村大橋)は、「安芸灘オレンジライン」と総称されています。まず、大島下島・平羅島(へいらじま)間に架かるとびしま海道で唯一のコンクリート橋、平羅橋(へいらばし)です。全長98.5メートルであり、とびしま海道の7つの橋のなかでは最も短い橋です。プレキャストブロック工法と呼ばれる新技術を導入しており、ずっしりと重みのある仕上がりとなっています。
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海面からの高さは決して高くありません。そのため、平羅橋の下を航行可能な船は漁業船のみに限定されています。
ラストはアーチ状の2橋で締めくくる
安芸灘オレンジラインのちょうど真ん中辺りに位置するのは、平羅島・中ノ島間に架かる全長251メートルの「中の瀬戸大橋」です。瀬戸内界隈でもよく見かけるアーチ状の橋です。
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中ノ島の向こうにある島は、愛媛県今治市の岡村島。双方の島は全長228メートルのアーチ橋で結ばれています。このように海上で県境をまたぐ農道橋というのは日本全国歩き回っても見当たりません。
この近辺は瀬戸内海国立公園の区域内でもあります。そのため、周辺の自然との調和を条件に、瀬戸大橋と同色のライトグレーで施されています。
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中の瀬戸大橋、岡村大橋はともに、2012年に放映された沖浦啓之氏監督によるアニメ映画『ももへの手紙』の劇中にも登場しています。
まとめ
とびしま海道は、広島県・愛媛県の両県にまたがるサイクリングロードです。広島バスセンターにて「とびしまライナー(蒲刈・豊浜・豊方面行)に乗車すると、1時間半程度でとびしま海道のそれぞれの島に到着します。サイクリングを楽しみたい方は「見戸代(みとだい)」バス停で下車するとよいでしょう。しまなみ海道の約半分の片道30キロほどであり、日帰りでも十分往復可能です。しまなみ海道とはまた違った瀬戸内の魅力に出会えるためおすすめです。
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